2015年7月4日土曜日

カフェほど素敵な商売はない(6)

 物件探しについて書きますが、このあたりが開業に向けて一番楽しい時期だと思います。どの街にしようかな、とあれこれ探すのも、人気のあるカフェを見て廻るのも気持ちが高ぶるもの。私の場合は、自分の店についてすでにイメージが出来上がっていたので、カフェ巡りの方はもっぱらオープニングを手伝ってるもらうことになっていた知人に引っ張られてでしたが、それでも参考にはなりました。まだ会社員だったので、仕事で行く先々の不動産店頭をチェックしたり、知り合いのレコードショップの方から店舗専門の不動産屋を訪ねたり。
 実際に相談すると、当時は空き店舗も少なかったのか、予算が限られていたせいなのか、担当者には「カフェをやりたいという人はごまんといますしね(冷笑)」という具合に冷たくあしらわれることが多かったです。しかし、そんなことで気落ちしていては現実にお店は持てません。あらゆるハードルは開店後も次々と現れるもの。その一つ一つを飛び越えていけるほどの信念があれば大丈夫です(^ ^) ところが予期せぬ出来事が突然起こりました。お腹の中に赤ちゃんを授かったのです。
 そこで、共同経営する友人に相談したところ、「自分も子供がいるので同じ立場で出来るようになって嬉しい。オープンはしばらく遅らせよう」と暖かい言葉をもらいました。それからはそれぞれがメニューのレシピやインテリアについて書いたことを今のようにメールも盛んじゃなかったので、手紙で交換するという文通通信が続きます。その頃考えたメニューや内装のことが開店する際大いに役立ちます。まさに回り道がもたらしてくれた恩恵といえるでしょう。
 づづく


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